解約するときに何が起きるか ── 請求は4か所から来ます

解約するときに何が起きるか 選ぶ・やめる

乗り換えの判断は、どうしても「新しい回線がいくら安いか」だけで決まりがちです。でも、解約側に何がいくらかかるかを足さないと、その計算は合いません。

解約の請求は、4か所から別々に来ます。解約金、工事費の残債、撤去工事費、機器の未返却金。このうち撤去工事費は2026年に新しくできたもので、古い記事には載っていません。

売る側から見ていて、あとで揉めるのはたいていこの4つのどれかです。

1つ目:解約金(違約金)

2022年7月の制度改正以降、解約金は大幅に下がりました。ただし下がったのは新しい契約だけです。

事業者新しい契約古い契約
SoftBank 光(2年自動更新)マンション 4,180円/ファミリー 5,720円ファミリー 10,450円(5年自動更新は16,500円)
ドコモ光(マンション)4,180円8,800円(2022年6月30日以前の申込)
auひかりお得プランA 2,290円標準プランは契約期間なし(0円)

問題は、自分がどちらか分かりにくいことです。SoftBank 光の場合、古い契約でも、プラン変更・エリアをまたぐ移転・速度変更のどれかをしていれば新しい額に切り替わっています。2025年7月1日以降に自動更新された場合も同じです。

これから上がります

SoftBank 光は2026年12月以降、解除料も引き上げられます(マンション 4,510円、ファミリー 6,050円)。迎える更新月が12月以降なら、改定後の額で考えてください。

2つ目:分割の残債 ── 工事費と端末代で扱いが違う

工事費は、残りが一括で来る

工事費は分割払いで、その分割を毎月の割引で相殺する形が多いです。だから使っている間は0円に見えます。解約すると割引が止まり、残りが一括で来ます。

ドコモ光の工事料は代表例で 28,600円。分割中に解約すると、残額を解約月の翌月に一括で請求されます。auひかりの初期費用は 33,000円、23回分割で月 1,434円。こちらも途中解約で残額が一括請求になります(契約期間に応じて減額されます)。

マイページで確かめること

「工事費の分割があと何回残っているか」。月額の明細に「工事費分割」と「工事費相当額割引」がペアで載っていれば、まだ払い終わっていません。

ホームルーターの端末代は、分割のまま続けられる

ホームルーターはここが違います。いまのホームルーターは、端末をレンタルではなく分割で購入する形がほとんどです。SoftBank Air の5G対応機種には、そもそもレンタルの用意がありません。

購入なので、解約しても端末を返す必要はありません。残るのは端末代の分割だけです。そしてソフトバンクの公式FAQでは、工事費の分割残金は「一括でお支払いとなる」一方で、Airターミナルの本体残金は分割払いを続けるか、一括で払うかを選べるとされています。

同じ「分割の残債」でも扱いが違います

工事費は、解約すると残りが一括で来ます。端末代は、そのまま毎月払い続けられます。解約の見積もりを作るとき、この2つを同じ欄に入れないでください。

ただし、解約すると月月割(端末代を相殺していた割引)は止まります。Airターミナル6は現金販売価格 95,040円、48回払いで月 1,980円(2026年7月15日以降の申し込み分)。同額の月月割が基本料から引かれていたのが、引かれなくなる。「実質0円」だったものが、解約した瞬間に実費に変わる、ということです。

3つ目:撤去工事費(2026年に新設)

ここが今年いちばん大きい変更です。NTT東日本・NTT西日本とも、2026年4月1日以降の解約申し込み分から撤去工事費を新設しました。そして、東と西で金額がかなり違います。

戸建て集合住宅
NTT東日本(基本工事費8,250円込み)13,200円11,000円
NTT東日本(2026年7月1日以降、HP以外から申込)14,300円12,100円
NTT西日本(基本工事費8,250円込み)20,900円14,300円
NTT西日本(2026年7月1日以降、公式サイト以外から申込)22,000円15,400円

同じ「NTTの光」でも、住んでいる地域で金額が変わります。戸建てで比べると、東と西で 7,700円の差があります。

かからないケース

有償になるのは派遣工事だけです。担当者が訪問せず、機器を郵送で返す無派遣工事は無料。移転やプラン変更でサービスを継続する場合もかかりません。なお土日祝の工事は3,300円が加算されます。

4つ目:機器の未返却金 ── 返すものと、返さなくていいもの

返すのはレンタルしている機器だけです。ONU、ホームゲートウェイ、光BBユニット、無線LANカード、開通前レンタル機器など。前の節で書いたとおり、分割で買ったホームルーターの端末は返却不要です。

意外と高いのがこれです。SoftBank の場合、返却期限は利用停止月の翌月20日まで。過ぎると請求が来ます。

機器2022年6月30日以前の契約それ以降の契約
Airターミナル533,000円24,000円
Airターミナル4 NEXT33,000円16,000円
光BBユニット(EWMTA2.4)18,000円12,000円
10G-ONU─8,000円
2G-ONU─5,000円

(金額は税抜き。ONUやホームゲートウェイ(N)などは実費請求です)

返したけれど壊れていた場合も修理代がかかります(光BBユニットで 7,700円など)。箱に入れて返すだけですが、緩衝材を入れてください。

見落としがちなこと

機器を返却するだけでは、解約手続きは完了しません。返却と解約の連絡は別です。返したことで安心して、月額が請求され続けていた、という相談は実際にあります。

4つを足してから比べる

乗り換え先のキャッシュバックが3万円だったとしても、解約金 4,180円、工事費の残債 1万円、撤去工事費 14,300円を足すと、手元に残るのは数千円です。ここを計算しないと、「キャッシュバックが多いから得」は成立しません。

もうひとつ。キャッシュバックは「開通から数ヶ月後に申請」の形が多く、出ていくお金のほうが先に来ます。申請を忘れると受け取れません。

かからなくする順番

  • 更新月に合わせる。違約金がかからない月は数ヶ月しかありません
  • 無派遣工事で済むか聞く。撤去工事費が丸ごと消えます
  • 移転で済むなら移転にする。解約じゃないので撤去工事費も違約金もかかりません(引っ越し先で、いまの回線は使えるか)
  • 工事費の分割が終わってから動く。残り1~2回なら待ったほうが安い

解約前に聞くこと

「解約する場合、違約金、工事費の残債、撤去工事費、返却が必要な機器の4つを、それぞれいくらか教えてください。また、無派遣工事で済むかどうかも知りたいです。」

まとめ

  • 解約の請求は4か所。解約金、工事費の残債、撤去工事費、機器の未返却金
  • 解約金は下がりましたが、下がったのは新しい契約だけです
  • 撤去工事費は2026年4月に新設されたばかり。無派遣工事なら無料です
  • 分割の残債は、工事費は一括請求、ホームルーターの端末代は分割を続けられます
  • 機器を返しても、解約の連絡をしなければ契約は続きます

乗り換え先を決める側の話はマンションタイプの光回線を比較する ── 料金表より先に決まっていることに書きました。

参考にした公式情報

(機器の未返却金以外は税込。2026年10月20日時点で各社公式サイトに記載のあった額です)

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