マンションの建物内の配線には3つの方式があって、どれが使われているかで速度の上限が決まります。自分の部屋がどれなのかを、順番に調べていきます。
そもそもなぜ配線方式で速度が決まるのかは、マンションのネットが遅い ── 原因は契約ではなく「配線方式」かもしれませんに書いています。あわせて読んでください。
結論から言うと、もっとも早いのは「部屋に置いてある機器を見ること」です。壁の差込口より確実で、電話をかける必要もありません。
手順1:部屋に置いてある機器を見る
ネットを使っている部屋に、ルーター以外の小さな箱が置かれているはずです。壁から出ているケーブルが、その箱のどこに挿さっているかを見てください。
細い光ケーブルが挿さっている → 光配線方式
髪の毛より少し太いくらいの、白や黒の細いケーブル。先端が四角い小さなコネクタになっています。これが挿さっている箱はONU(回線終端装置)で、光配線方式です。
機器の本体に「ONU」「光回線終端装置」と書かれていることもあります。ルーター機能が一体になったホームゲートウェイの場合もあります。
電話線が挿さっている → VDSL方式
固定電話に使うのと同じ、透明な爪のついたケーブル。これが挿さっている箱はVDSLモデム(VDSL宅内装置)で、VDSL方式です。
本体に「VDSL」と書かれていることが多いので、箱の正面か側面のラベルを見てください。ここに「VDSL」の文字があれば、それで確定です。
箱がなく、壁から直接LANケーブル → LAN配線方式
ONUもモデムも無く、壁のLANポートからルーターへLANケーブルが直接つながっているなら、LAN配線方式です。
機器の写真を撮っておくと、このあと管理会社や回線事業者に問い合わせるときに話が早くなります。型番のラベルが写るように撮っておいてください。
手順2:壁の差込口を見る
引っ越し前の内見など、まだ機器が置かれていない状態のときはこちらです。
| 壁にあるもの | 見た目 | 考えられる方式 |
|---|---|---|
| 光コンセント | 「光」のマークや「光コンセント」の表記。丸い差込口 | 光配線 |
| モジュラージャック | 電話線を挿す、小さい四角い差込口 | VDSL |
| LANポート | 電話線より一回り大きい四角い差込口 | LAN配線 |
注意したいのは、使われていない古い差込口が残っていることがあるという点です。モジュラージャックと光コンセントが両方ある部屋も珍しくありません。その場合は、実際にどちらが生きているかまでは壁を見ても分かりません。
壁だけで判断がつかないときは、手順3へ進んでください。
手順3:管理会社か管理組合に聞く
これがもっとも確実です。賃貸なら管理会社、分譲なら管理組合か管理会社が窓口になります。
聞き方が分からないという声をよくもらうので、そのまま使える文を置いておきます。
「建物のインターネット設備について伺いたいのですが、各戸までの配線方式は、光配線方式・VDSL方式・LAN配線方式のどれになりますか。」
この一文で通じます。担当者が即答できない場合もありますが、設備の資料を見れば分かる内容なので、折り返しをもらってください。
ついでに聞いておくと後で効く質問が2つあります。
- 「建物に全戸一括のインターネットサービスは入っていますか」 ── 家賃や管理費に含まれている場合、すでに使える回線があります
- 「個別に光回線を引くことは可能ですか」 ── 可否と、必要な手続きが分かります
手順4:提供エリア検索で建物名を入れる
回線事業者の提供エリア検索に住所と建物名を入れると、その建物で提供されているサービスが表示されます。方式まで表示されることがあります。
ただし、ここに出るのは「その事業者が提供できる方式」です。今まさに部屋で使われている方式とは限りません。また情報が更新されていない場合もあるので、最終確認は管理会社へという順番は変わりません。
築年数からの推測は、あくまで目安です
「築年数で分かる」と書かれていることがあります。おおまかな傾向としては、新しい建物ほど光配線方式が多く、古い建物ほどVDSL方式が多いのは事実です。電話線がすでに通っている建物に後から光を通すとき、配線の引き直しが要らないVDSLが選ばれてきたためです。
ただ、これは傾向であって判定方法ではありません。
- 古い建物でも、途中で設備を更新して光配線に変わっていることがあります
- 新しい建物でも、規模や構造の事情でVDSLやLAN配線のことがあります
築年数は「たぶんこっちだろう」の見当をつけるためのものと考えて、手順1〜3で確定させてください。
どうしても分からないときは
機器も見当たらず、管理会社もはっきりしない。そういうときは、今契約している回線事業者のサポートに聞くのが早いです。契約者本人であれば、その部屋がどの方式で開通しているかを調べてもらえます。
問い合わせるときは、契約者名義と、部屋番号までの住所を手元に用意しておいてください。
方式が分かったら
判明した方式ごとに、次に見るべきものが変わります。
- 光配線方式だった ── 建物の上限は高いので、遅さの原因はルーターや電波や設定の側にあります
- VDSL方式だった ── 上限は約100Mbps。乗り換えても上限は変わらないので、まず契約以外の手を検討します
- LAN配線方式だった ── ケーブルの規格次第。まずは実測で、どのくらい出ているかを確認します
VDSL方式だった人がそこから取れる手は、VDSLだと分かった ── 100Mbpsの上限から抜ける3つの道にまとめました。
建物に「インターネット無料」が付いている場合は、調べる順番が少し違います。「インターネット無料」のマンションが遅い ── その正体と、住人にできることに分けて書きました。
引っ越しが決まっている人は、引っ越し先で、いまの回線は使えるか ── 移転と解約の分かれ目も先に読んでおくと段取りが変わります。
まとめ
- いちばん早いのは、部屋の機器を見ること。本体に「VDSL」と書いてあればそれで確定
- 壁の差込口でも見当はつくが、使われていない古い差込口が残っていることがある
- 確実なのは管理会社。「各戸までの配線方式はどれですか」の一文で通じる
- 築年数からの推測は目安。判定には使わない
方式が分かって初めて、回線を選ぶ話に進めます。順番が逆だと、選び直しになります。
なぜ乗り換えても速度が変わらないことがあるのか、その理由はマンションのネットが遅い ── 原因は契約ではなく「配線方式」かもしれませんで詳しく説明しています。
方式が分かったら、次はどの事業者と契約するかです。その比べ方はマンションタイプの光回線を比較する ── 料金表より先に決まっていることにまとめました。


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